戒名の付け方とは?基礎知識と自作方法
仏教では亡くなった方が極楽浄土へ行けるように戒名を授けられますが、自分で付けることもできます。
戒名は仏教徒としてお墓に入る場合必ず必要になるので、詳しく知っておきましょう。
戒名は自分で付けられるの?付け方に決まりはある?
戒名は五戒・十戒などの戒律を修行によって守った人のみが授かる物ですが、自分で付けることもできます。
しかし自分で戒名を付けたいと考えている人には、気を付けなければいけないことがあるので、覚えておきましょう。
【戒名を自作する時に覚えておきたいポイント】
・仏教徒でなければ戒名は必要ない
・入る予定のお墓がお寺の墓地の場合は、自作戒名では受け入れてもらえない可能性がある
・三撰三除の法則に従った戒名でないとペンネーム扱いされてしまう可能性がある
・何代にも渡ってお墓に刻まれるので、深く考えずに付けると末代までの恥とされる
自作戒名のトラブルでよくあるのは、明らかに自作と思われる戒名ではお寺に受け入れてもらえないことです。
戒名には三撰三除の法則があります。
・意味のある熟語や語源が良い文字を使う
・年齢にふさわしい語句や字を使う
・響きの良い組み合わせである
・意味がわからない字を使ってはいけない
・悪い語源・意味がある文字を使ってはいけない
・意味もなく難しい字を使ってはいけない
僧侶の戒名セミナーや自作戒名を付けてくれるパソコンソフトもありますが、基本的に三撰三除に従っています。
字の見た目が格好良い・画数や難しい字をいくつも使うなどの場合は、お寺も受け入れてくれません。
戒名作成には順番があり、全体のバランスや漢字の重複をさけています。
宗教によって付け方も違うので、自作戒名を付ける場合は注意してください。
戒名の付け方はわかったけど、依頼することもできるの?
戒名は仏教徒であれば死後に授かることが一般的ですが、菩提寺にお願いして生前戒名を授かることもできます。
生前戒名は自分で納得行く戒名を受けられるほか、自分で考えて付けることも可能です。
没後戒名より生前戒名のほうが依頼価格が低く設定されているため、死後に家族の負担を減らす意味でも、依頼する人がいます。
菩提寺にお願いする場合は、住職などと相談しながら戒名を決められるので、トラブルになることはありません。
もし菩提寺がない場合は、納骨する予定のお寺にお願いすることになります。
菩提寺があるにも関わらず菩提寺以外で戒名を受けた場合は、トラブルになるので注意してください。
生前戒名を受けた後は、必ず家族に伝えることをお勧めします。
戒名を授かったことを家族に内緒にしておくと、お寺と家族のトラブルに繋がります。
曹洞宗の戒名の付け方は他の宗派と違うの?
曹洞宗の戒名は院号・道号・戒名・位号の順に構成されています。
曹洞宗は浄土真宗などと比べるとスタンダードな戒名の付け方なので、ルールも大きな違いはありません。
ただし戒名にはランクがあり、上位戒名になると曹洞宗は他宗派よりも高くなることがあります。
曹洞宗の戒名は般若心経・正法眼蔵・修証義・伝光録の中から、その人にふさわしい漢字を二文字授かるので、自分で考える場合も参考にしましょう。
他の宗派と同じく6文字と8文字で構成されるのが基本です。
菩提寺がある場合は自分で考えるのではなく、菩提寺で相談をして戒名を決めましょう。
浄土宗の戒名の付け方は?
浄土宗は院号・誉号・戒名・位号から成っているので、他宗派と比べても大きな違いはありません。
浄土宗の戒名では如・和・教・学・海・山・泉・行・孝・妙・宝・菊がよく使われる漢字ですが、誉・空・良などの良い意味の漢字も使われます。
虫や馬といった動物を表す漢字は使わず、仏教と繋がりがある牛も使うことはありません。
龍・象・獅子は稀に使われることがありますが、非常に珍しい例です。
下・非・濁・黒・負といった悪いイメージの漢字も使われないので、自分で戒名を考える時は気を付けましょう。
浄土宗も他宗派と同じで、菩提寺がある場合は勝手な戒名をするとトラブルに繋がるので、生前戒名を考えているなら事前に相談しておきましょう。
戒名の付け方って無宗教でもあるの?
無宗教の場合は仏教徒ではないので戒名を授かる必要はありません。
最近では戒名ではなく、そのままの名前を使う俗名位牌・お名前位牌を作る人が増えています。
お葬式を形式的に仏教で行ったとしても、無宗教ならそのままのお名前を使っても問題ありません。
ただし、葬儀は無宗教葬であげても実家の菩提寺に納骨する場合は、戒名が必要になることがあります。
後々戒名が必要になる可能性がある人は、霊園事務所や菩提寺に相談しておくと安心です。
しかし相談する宗派に応じた費用が必要になるので、遺族の負担になる可能性も。
無宗教で戒名を授かる場合は必ず相談してください。
まとめ
戒名は自作も可能ですが、トラブルの種になる可能性も高く、宗教・宗派ごとの付け方を知っておきましょう。
生前戒名を考えている人は家族に相談せずに授かってしまうと二重戒名になってしまい、必要のない負担をかけることになります。
最近では戒名を必ず授からなければいけないわけではないので、戒名について家族で話し合っておくと心配がありません。