後飾りとはどんなもの?宗教ごとの違いはある?
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後飾りとはどんなもの?宗教ごとの違いはある?

2019年07月30日(火)11:45 AM

葬儀では祭壇が使われることになりますが、その祭壇の1つに後飾りと呼ばれるものがあります。
ではこの後飾りとはいったいどんなものなのでしょうか?
宗教ごとの違いも含めて、後飾りについて見ていきましょう。

祭壇の一種である後飾りとは?

後飾りは葬儀が終了した後に用いられる祭壇です。葬儀でも祭壇が用いられますが、葬儀終了後はそちらを片付け、新たに後飾りを設置することになります。後飾りの目的としては「納骨するまでの間、遺骨を安置しておく」というのが大きな役割です。

 

納骨は四十九日の法要が終わった後に行われるため、それまでの期間遺骨を安置する場所が必要になるわけです。そのため四十九日を待たず、葬儀後にすぐに納骨を行う場合は後飾りも設置することはありません。

 

一般的に後飾りは宗教に関わらず木で作られているのですが、最近は費用を抑えるためといった理由からダンボールが使われるケースも増えています。木製のものかダンボール製のものか、どちらを使うかはよく考えておき、葬儀会社に伝えておくと良いでしょう。

後飾りと仏壇の関係

仏教の場合、仏壇がありますので「遺骨も仏壇に安置しておけば良いのではないか?」そう考える方もいらっしゃると思います。ですが、仏教では仏壇には遺骨を安置しないという考え方があり、たとえ仏壇を用意していたとしてもそこに遺骨を安置することはありません。となると、やはり遺骨を安置するための場所が必要になり、そこで後飾りが使われます。

 

すぐに納骨するので遺骨を安置する場所も必要ないという時は別ですが、そうでなければ基本的には後飾りを設置することになると考えておきましょう。

 

後飾りは通常、葬儀会社が用意してくれることがほとんどで、自分で用意する必要はありません。ただし、自分で素材などを選びながら設置したい場合は、葬儀会社を通さずに自分で購入することも可能です。特に葬儀のプランに後飾りの準備が含まれておらず、オプションとなっている場合などは自分で設置することも検討するのが良いでしょう。

後飾りに供えるお花について

葬儀でもたくさんのお花が供えられるように、後飾りにもお花を供えるのが一般的です。供えるお花に何か決まりはあるのかという点ですが、特に厳しい制限はありません。つまり、お好きな花を供えて良いということです。

 

葬儀では菊の花が使われるのが旧来からのしきたりでしたが、近年では多様化が進み、故人の好きだった花を自由に備えるなど、スタイルも変化してきています。後飾りに供える花も同様に、この花でなければならないという決まりがあるわけではありません。葬儀で使われたお花を花束にして使っても良いですし、新たに用意してもかまいません。

 

後飾りは四十九日が終わるまでは設置しておくことになるので、傷みにくい花を選ぶと手間がかからないという利点は生まれます。

浄土真宗の後飾りの飾り方

浄土真宗の場合、仏教の1つですから基本的な部分は仏式での飾り方と共通しています。2段から3段の後飾りが用意され、白い布をかけて遺骨を安置する形です。また、後飾りに利用される仏具も仏壇で使われているものを使うことになるので、既に仏壇をお持ちの方は仏具を新しく用意する必要はありません。

 

逆に仏壇が無く、これから仏壇と仏具を用意するという場合は、後飾りで使った後に仏壇でそのまま使うことを想定して仏具を選ぶと良いでしょう。さらに遺影なども飾ることになりますが、浄土真宗で注意したい点として位牌は用意しないことです。

 

浄土真宗ではそもそも位牌を使わないため、飾る必要もないということになっています。ですが、ご家族などが位牌を用意したいという場合は、浄土真宗でも用意し飾ることができますので、位牌を飾るかどうかはご家族やご親族の皆様で考えることの1つとなります。

神道の後飾り

神道でも、基本的な部分は仏教のものとそう大きく変わりません。祭壇となる後飾りを設置し、そこに遺骨を安置することになります。違いとしては、神道の場合は後飾りには八足の祭壇が使われることでしょうか。また、この際に仮霊舎と呼ばれる祭壇も設けることになります。

 

この他に、遺影やお神酒、洗米など、神道で使われるものをそれぞれ飾っていきます。詳しいことがわからないという場合でも、葬儀会社の担当者に相談すればアドバイスしてもらえます。準備でバタバタしないよう、事前に後飾りに必要なものを把握しておくとスムーズな設置と飾り付けが可能です。

まとめ

四十九日が終わって納骨を済ませるまで、遺骨を安置しておく場所として後飾りが必要になります。これは宗教を問わず共通で、仏教でも神道でも、さらにはキリスト教でも形は違えど後飾りが利用されます。

 

すぐに納骨するのでなければ、必ず必要になるものと言えますので、葬儀会社ともよく話し合って後飾りの準備を進めましょう。四十九日終了までと比較的長い期間使うことになりますので、しっかりと準備することが大切です。



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