献杯の意味とは?挨拶のマナーと例文を紹介
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献杯の意味とは?挨拶のマナーと例文を紹介

2018年11月30日(金)9:39 AM

献杯イメージ

葬儀や法事の後の会食(精進落とし)を始めるにあたって、始まりの挨拶ならびに故人を偲んで敬意を表す儀式が献杯です。
献杯は事前に頼まれる場合もありますが、状況によっては突然依頼されるということもあります。
いざと言う時に慌てないために、献杯についての知識やマナーについて知っておきましょう。

「献杯」とはどんなもの?

献杯とは、故人に杯を捧げ敬意を表すという意味があり「けんぱい」と読みます。
葬儀や法事の後に、故人と関係の深かった親族や知人が残って会食が行われることがあり、その際になされる儀式のひとつです。
故人を偲ぶ以外にも、会食の始まりの合図にもなります。

献杯は、喪主の挨拶が終わった後に捧げられる手順となっています。
喪主がそのまま献杯を行っても問題ありませんが、喪主以外が行う場合は、挨拶時に献杯をする人を紹介する流れになります。
喪主以外が献杯を行う場合、故人の兄弟や子ども、孫など、家族・親族が行うことが多いですが、友人、葬儀委員長や僧侶が執り行う場合もあります。
この点には特に決まりはないため、その場を取り仕切るのに適切な人にお願いするのがベストです。

なお、似たような言葉に乾杯がありますが、乾杯は結婚式などお祝いの席で使われます。
献杯とは使われる場所が全く違うので、間違えないように気を付けましょう。

献杯のマナー

献杯は、精進落としや法事の会食の席にて行われますが、献杯を行う流れやマナーは共通していますので、覚えておきましょう。

献杯の流れ

1、会食の席の用意
2、位牌の準備
※位牌を配置し、その前にお酒を注ぎ入れた盃を静かに置きます。
3、喪主による挨拶
4、献杯
5、食事
※献杯の前に食事に手を付けるのはNGです。

献杯は全員が席に着いてから始めるようにしましょう。
また「献杯するまでは誰も食事に手を付けてはいけない」というルールがあるので、気を付けてください。

献杯を行う時の注意

献杯の時は唱和も低めの声で、静かに行います。
杯は打ち合わせずに低くかざし、拍手もしません。
厳かな雰囲気を壊さないよう、静粛に行いましょう。

献杯の挨拶をすることになったら?

故人の思い出を振り返るための場ではありますが、そのような話は会食の場で行うようにしましょう。

献杯の挨拶は故人を偲ぶためにあります。
そのため、挨拶文中にはぜひ故人を偲ぶ言葉を入れましょう。

 

【献杯の挨拶のポイント】


自己紹介から始め、故人との関係を明示します。
続いて参列者へのお礼、式を終えられたことに対する感謝の言葉を述べます。
そして故人を偲ぶ言葉を手短にまとめ、献杯で締めくくります。
食事の前ということもあるので、献杯の挨拶は長くならないように、1分程度で収まるようにしましょう。

献杯の挨拶例文集

故人との続柄ごとに、献杯の挨拶の例文を書き記したのでこれを参考に、自身の言葉で伝えましょう。

故人の長男の場合

故人の長男にあたる○○です。
本日はお忙しい中、長い時間お付き合いいただき誠にありがとうございます。
皆様のおかげで無事に通夜と葬儀を終えることができ、父も安心していることかと思います。
ここでささやかですが、会食の席をご用意させていただきましたので、ぜひ父との思い出をお話になっていただければと存じます。
それでは献杯をさせていただきます。
皆様ご唱和をお願いいたします。
献杯。

友人の場合

皆様、本日は最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
私は故人の友人で○○と申します。
故人とは中学生の頃から家族ぐるみでお付き合いがあり、先日も恒例のバーベキューをしてきたところです。
突然のことで実感がなく、私も悲しみの気持ちでいっぱいです。
昨日よりご長男の○○君が喪主を立派につとめあげ、皆さんのご協力のもと、無事に通夜葬儀を終えられ、○○も一安心しているだろうかと存じます。
これより会食のお時間でございますが、ぜひ故人との思い出話をたくさん聞かせていただけたら大変嬉しく思います。
それでは故人を偲びながら献杯させていただきます。
献杯。

故人の弟など兄弟の場合

故人の弟の○○でございます。
このたびの葬儀に際しまして、皆様のご協力を頂きありがとうございました。
おかげさまで無事に葬儀を終えることができました。
ささやかながら会食の席をご準備させていただきましたので、故人を偲び、皆様と思い出話をさせていただければ供養にもなるかと思います。
まずは、献杯をさせていただきます。
献杯。

 

【会食のお開きの挨拶】


会食をお開きにする際は、喪主もしくは献杯を行った人が挨拶をします。
例文を紹介しますので、参考にしてください。

本日は長い時間にわたり皆様にご参列いただきまして、誠にありがとうございました。
故人の多くの思い出話をお伺いすることができ、大変貴重なお時間を頂いたことに感謝いたします。
遠方よりお越しいただいている方、お忙しい方もいらっしゃることかと存じます。
お疲れのところお引き留めするのも申し訳ありませんので、このあたりで一旦お開きとさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。

ひとまず区切りをつけるという意味合いで「一旦お開き」という言葉を使うようにします。
式の進行もありますが、参加者の中にはまだ食事や話が終わっていない人もいるからです。

参列者が献杯時に気を付けること

会食に参加する際に気を付ける点は、献杯のマナーを守ることです。
献杯が行われるまで食事に手をつけないことは、マナーの基本です。
また杯は低くかかげて打ち合わせず、唱和も静かに行うこと、そして拍手はしません。
祝いの場とは正反対で厳粛な席です。
その場にふさわしい行動と態度を取るように、大きな音や声を出さないように気を付けましょう。

故人を偲び敬意を表す献杯の儀は、静かな席で粛々と行われます。
故人や親族に失礼のないようなマナーで参列しましょう。

 



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