香典のマナーとは?お金の入れ方や表書きの書き方を紹介
ホーム > 香典のマナーとは?お金の入れ方や表書きの書き方を紹介

香典のマナーとは?お金の入れ方や表書きの書き方を紹介

2018年08月17日(金)3:15 PM

香典イメージ

友人や知人など親しい人やご近所の方が亡くなった場合、葬儀に参列することになります。その際、香典を準備する必要がありますが、この香典のマナーについてご存知でない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は、葬儀の際に持参する香典として包むお金の金額の目安や、渡す時のマナーさらに、不祝儀袋へのお金の入れ方についてご紹介します。

 

香典を準備するときのマナーと持参するタイミング

 

原則的に、香典は通夜または告別式に直接持参するのが一般的なマナーです。

 

どちらに参列するかによって持参するタイミングは異なりますが、必ずしも通夜に持参しなければならない、あるいは告別式に持参しなければならないという決まりはありませんので、参列できるタイミングで持参するのが良いでしょう。

 

ただし、葬儀については、地域によって様々なローカルルールがあることがあります。足並みを周囲と揃えなければ思わぬトラブルを招くことも決してゼロではありませんので、引っ越してきたばかり、または地域に関してあまり馴染みがないという場合には周囲の方に事情を説明した上で香典を持参するタイミングなどについて相談しておくとより安心できます。

 

 また、通夜も告別式も参列するという場合は、通夜の際に持参するようにしましょう。2回渡すことは、「悪いことが重なる」という意味合いからタブーとされていますので渡すのは1回です。

 

突然の知らせの場合には、香典を即座に用意できないこともあります。その場合には香典はひとまず、後日持参することとして先に身ひとつで駆けつけるというのも、決してマナー違反ではありません。

 

あくまで通夜については、訃報を聞いてすぐに駆けつける、ということに大きな意義がありますので、手ぶらでは失礼とのことで参列を控えるよりは、後日香典を持参することを伝えた上で参列するほうが懸命でしょう。

 

どうしても香典を直接持参することができず、通夜や告別式にも参列できないという場合は参列する周囲の方に香典を託すという方法もあります。

 

その他、郵送などの方法もありますが絶対にやってはいけないのは、電話だけでお悔やみを済ませるということです。特に、亡くなってすぐのタイミングはご遺族は様々な手続きや作業を深い悲しみの中で行わなければならず、また睡眠時間も満足に取れていないことがほとんどで電話に対応している暇は全くありません。

 

そんな中で、電話だけでお悔やみを済ませるのは明確なマナー違反ですので、出来る限り避けるようにしましょう。

 

また、後日香典を持参する場合には四十九日までに相手方に訪問するのが鉄則です。四十九日を過ぎてしまうと、徐々にご遺族も通常の生活に戻りはじめ、忙しくなることも考えられます。訪問自体がご遺族の負担になることもありますので、事前に連絡を入れ、様子を伺った上で訪問することをおすすめします。

 

香典の一般的な金額とお金の正しい入れ方とは

 

香典の一般的な金額の目安について解説します。とはいうものの香典の金額については、明確にこの金額でなければならないといった規定や決まりごとなどはありません。

 

場合によっては、地域ごとの規定や申し合わせがある場合もありますが、金額については自分と亡くなった方の関係性や年代によって異なります。

 

・両親(義父母)…20代:3~10万円、30代:5~10万円、40代:10万円~

・兄弟、姉妹…20代:3~5万円、30代:1~3万円、40代:3~5万円

・祖父母…20代:1万円、30代:5万円、40代:5万円

・叔父、叔母…20代:1万円、30代:1~3万円、40代:3~5万円

・友人、知人…20代:5千円、30代:5千~1万円、40代:5千~1万円

・近隣、近所の人…20代:3~5千円、30代:3千~1万円、40代:3千~1万円

 

ただし、これらは先述の通りあくまでも目安の金額となりますので、これより大きく包むのも決して問題ではありません。

 

最近は、葬儀の当日に3,000円前後の香典返しすることが多く、参列をする場合はそのことも考慮し、5,000円以上の香典を包んでおくと遺族の負担にもなりません。

 

地域や職場のグループなど、周りと足並みを揃えた香典を包む必要があると思われる場合にはこの限りではありません。出来る限り同僚や、一緒に参列する人と相談の上、統一して香典を渡すようにすることをおすすめします。

 

また、香典に包む金額はいくらでも差し支えはありませんが、縁起の悪い割り切れる数字は使わないのがマナーです。したがって偶数の金額は避けるべきです。

 

割り切れるということは亡くなった方との縁が割り切れてしまう、という意味につながることから、原則的に奇数の金額を香典として包むことがよしとされています。その他、4万円や9万円など「死」や「苦」を連想させるような金額も避けましょう。

 

結婚式などのお祝い事の場では、新札を用意するのが通例ですが、これらのお金はおめでたいことに使うお金というイメージがありますので、葬儀の際に出す香典には好ましくないとされています。

 

破れていたり、あまりにも汚れているものは避けますが、使用感があるものを選びます。新札しかない場合は、一度折り目をつけてから入れるようにしましょう。

 

香典袋の表書きと内袋の書き方

 

香典を入れる袋のことを香典袋または、不祝儀袋とも言います。この香典袋の入れ方や書き方にもマナーがあります。香典袋は外袋と内袋(中袋)に分かれていることが多く、中にお金を入れるための封筒が1枚入っています。

 

最近では、封筒に直接水引が印刷されたものも多く、金額が1万円までの場合は使用しても問題ありません。香典は受付後すぐに開封されるので、封筒タイプであれば受付の人が出しやすいという利点もあります。

 

不祝儀袋には表書き、内袋には中に入れる金額と持参した人の名前や住所を書き入れます。

 

【表書きの書き方】

 

表書きとは昔の、贈り物には目録(中の内容を書き連ねたもの)を付けるという風習が簡略化されたものです。金品を入れる包みや熨斗紙に表書きをし、内容や贈り主の気持ちを表します。表書きの下の部分には控えめに贈り主の名前を記載します。

 

香典の場合、亡くなった方の宗教ごとに表現が異なりますので、注意が必要です。仏教の場合は表書きには「御霊前」または「御香典」「御香料」などと記載します。

 

キリスト教徒の方が亡くなった場合には「御霊前」または「御花料」と記載します。この時香典袋はハスの花の絵が付いていないものを選びます。

 

そして、日本神道の神式の場合には「御霊前」、「御玉串料」、「御榊料」として記載します。キリスト教同様に、この時香典袋はハスの花の絵が付いていないものを選びます。

 

故人が信仰していた宗教がわからない時には、表書きをしていない不祝儀袋を用意の上で会場に赴き、そこで宗派を聞いて書き入れる方法もありますが、時間がない場合にはどの宗派でも共通して記載することができる「御霊前」としましょう。

 

【内袋の書き方】

 

内袋には、内袋の裏面に金額と住所氏名を書くことができるスペースがある場合は、そこに包んだ金額と住所氏名を記入します。ない場合は、同内容を裏面の左下に書くようにします。

 

金額を書く際は、線のみの数字であれば簡単に書き換えられるため、改ざんを防ぐという意味でも、難しい方の漢字で書くのがマナーです。壱(1)、参(3)、伍(5)、七(7)、拾(10)などを用いることになります。または、横書きのアラビア数字で記します。

 

原則的には筆・または筆ペンで書くようにします。筆の色は黒でも問題ありませんが、弔事の場合は、「悲しみの涙で墨が薄まった」という気持ちを表すために薄墨で書くことがこれらが用意できない場合については、ペンでの記入でも問題はありません。

 

香典の持参方法と受付で渡す時のマナー

 

香典は、そのまま持ち歩かず、袱紗(ふくさ)に包んで持参します。通夜または告別式の会場で受付がある場合には、そこでお悔みの言葉を述べ、芳名帳に記帳済ませます。

 

その上で、受付の係りの人に「どうぞご霊前にお供え下さい。」などと言い、香典を取り出し、畳んだ袱紗の上に置き両手で差し出します。この時、不祝儀袋はきちんと相手側から表書きを読める向きにします。

 

また亡くなった方が浄土真宗の方式で葬儀をすると分かっている場合には「どうぞご仏前にお供えください。」という挨拶に変わります。

 

受付がない家族葬などの場合には、御霊前にお参りする際に供えるようにするか、直接遺族に手渡します。

 

香典を後日持参する場合のマナーを知っておこう

 

諸事情で、香典を当日持参することができなかった場合には後日持参することになりますが、事前に必ず弔問の日時を伺ってから訪問するのがマナーです。この時、可能であれば四十九日を終えているかどうか、という点を合わせて確認しましょう。

 

不祝儀袋の表書きは、四十九日前であれば、「御霊前」となり、四十九日後については、「御仏前」となります。

 

この時注意したいのは、故人が亡くなって通夜・告別式を執り行った際に四十九日の繰り上げ法要をおこなっているかどうかという点です。

 

四十九日の繰り上げ法要を既に行っている場合は亡くなってから四十九日経過前でも「御仏前」として不祝儀袋を記載する必要があります。

 

もちろん故人の宗派によっても異なりますが、原則的には上記のように、後日持参する場合は気を付けましょう。

 

また、香典を持参すると香典返しなど気を遣わせてしまうこともあるため、香典の代わりにお供えものにする方がお互いにとってよい場合もあります。

 

まとめ

 

突然の不幸となると、葬儀に参列する際の香典のマナーなども混乱してしまいがちですが、慌てず、心静かに故人を送るようにしたいものです。事前にやってはいけないことを知っておけば、急な訃報にも対応できます。

 

・金額は、縁起のよくない4(死)や9(九)、あるいは縁が(割り)切れることを意味する偶数の金額は避ける

・通夜と告別式両方に参列する場合に香典を2回渡すのは失礼にあたる

・香典はむき出しで持参しない(袱紗がない場合は、シンプルなハンカチに包む)

・後日持参する場合は、表書きに注意する

 



«   |   »