エンディングノート(終活ノート)とは?
超高齢化社会の日本で、注目を集めているのが「終活」です。終活とは、自分が生きているうちに身辺整理を行ったり、人生を振り返ったり、自身の葬儀やお墓について考えたりする活動のことを指します。 終活の一環としてクローズアップされているのが「エンディングノート」と言われるもの。エンディングノートは、自分が生きた証や思い出から、各種手続き関係まで書き込めるノートです。 今回はエンディングノートについてご紹介します。
エンディングノート(終活ノート)とはどんなもの?
エンディングノートは終活ノートとも呼ばれます。最初にお伝えしたとおり、思い出を書いたり、葬儀についての希望を書いたり、通帳やクレジットカードなどの情報を書いたりできるものです。 自分に何かあった時、またアルツハイマー型認知症などで意思を伝えることが難しくなった時、エンディングノートを作成していると自分の思いや希望を伝えることができます。
「もしも自分に何かあった時に、できるだけ家族に迷惑をかけないようにしたい」という思いが、エンディングノートを作成する動機になる人も多いようです。
何歳で書き始めるべきといった決まりはないので、思い立った時に書き始めることをおすすめします。
【エンディングノートを書くメリット】
●自分の人生を振り返ることができる
●家族や友人への感謝の気持ちを書き残すことができる
●葬儀やお墓についての希望を伝えられる
●通帳やクレジットカードの情報を伝えられる
エンディングノートを手に入れる方法
エンディングノートは、文房具店や書店、百貨店などで購入することができます。
文具のノートのようなタイプから、しっかり製本された本のようなタイプまで、多彩なラインナップです。価格は500円~2000円程度。1000円以上になると、しっかりした作りのノートが多い印象です。 書き込みやすさや内容を見て、自分に合ったノートを見つけたいですね。
購入以外の方法としては、エンディングノートのプレゼント付きの「エンディングノート書き方セミナー」などに参加する。インターネットで無料ダウンロードできるエンディングノートのフォーマットを探す。といった方法があります。
エンディングノートの書き方
市販のエンディングノートは、書き込む内容が明記されています。書きやすい部分から自由に書いていきましょう。
市販のエンディングノートは使わず、普通のノートで自分流のエンディングノートを作りたいという方は、最低限書いておきたい内容を整理して書くようにしましょう。
【エンディングノートに記載しておきたい内容】
●自分のことについて(生い立ちや、今までの経歴など)
●保険や年金関係の書類の場所
●介護状態になった場合の要望
●延命処置に対する希望
●葬儀についての要望
エンディングノートには決まった形式がありません。上記以外の内容も盛り込んで自由に作成してください。
最近では、楽しかった思い出や趣味についてといった、アルバム的な要素もあるものが増えています。そして家族や友人、お世話になった人たちに送るメッセージで締めくくるという手法もあります。
エンディングノートと遺言書・遺書は何が違う?
エンディングノートとよく似た物に、遺言書と遺書があります。 一見混同しやすいのですが、それぞれの特徴は全く異なっています。
遺言書は、自分にもしもの時があった場合に残される、遺産の分与や管理に関する意思表示です。財産を誰にどのように分けるか、不動産を誰がどのように管理するか、さらに経営者の場合は誰が事業の継承をするかなどを書き記したものです。
遺言書の内容は原則民法の規定に基づいて書面化され、法的な効力があります。
相続を円滑に、そしてトラブルを起こさないために作成されるケースがほとんどです。
一方、遺書は死ぬことを前提に、自分の気持ちや思いを書き残した書面です。余命いくばくもない状態に迫った時に、家族などにあてた感謝の言葉や思いを伝えるものですが、遺言書とは違い、法的な効力はありません。
エンディングノートは、保険や医療関係の手続きや葬儀の希望など、遺言書のような内容を記載できますが、法的な効力はありません。エンディングノートに相続についての希望を記載しても、その通りにできるわけではないので気を付けましょう。
遺産相続や事業継承については、エンディングノートではなく、遺言書を作成するようにしてください。
エンディングノートの保管について
エンディングノートの目的は残された人生を有意義に送る、そして残された家族が困らないための記録です。
そのためあまり分かりにくい場所に置いてしまうと、いざお迎えの時が来た時に見つからないという事態も懸念されます。
それではせっかく生前に意思表示した要望が分からないままになってしまい、家族に後悔させてしまいます。
なので保管場所はできるだけ分かりやすく、すぐに取れる場所に保管するのがおすすめです。
また生きている間に記録している姿を見せておくことで「お父さん(お母さん)が何か書いていたな」と、家族に覚えておいてもらうというのも悪くありません。
まとめ
終活の一環として、エンディングノートを活用する人は今後も増えていくことでしょう。
いつか必ず来るお迎えの時まで有意義に生きる、そしていざという時に家族が対応できる、それがエンディングノートの役割です。
人は、年齢を重ねるにつれて認知機能が衰えていきますし、自分がいつまで元気で過ごせるかは誰にも分かりません。
いざという時に後悔しないように、家族に迷惑をかけないように、できるだけ元気なうちにエンディングノートを書き始めましょう。