火葬後のお骨上げ(お骨拾い)の流れとマナー
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火葬後のお骨上げ(お骨拾い)の流れとマナー

2019年07月19日(金)11:15 AM

火葬場

日本では古くから人が亡くなった時にご遺体を火葬します。
葬儀の一環として行われるのが、火葬後に行われる骨上げです。
そこで今回は、骨上げの意味とマナーについてまとめました。
葬儀の一般常識として、覚えておいてくださいね。

火葬場についてから骨上げまでの流れ

火葬場に到着すると、炉の前の机に持ってきた位牌と遺影を飾ります。出棺時の別れ花と同じく最後のお別れである納めの式が行われるので、係員の案内に従ってください。

 

納めの式は僧侶の読経・焼香が終わった後に、故人と繋がりの深い順に焼香・合掌・拝礼をします。棺の小窓をあけ、最後の対面をする場合もありますが、故人を見られる最後の機会にもなりますので、しっかりお別れをしましょう。最後のお別れが済むと火葬になります。

 

火葬は1時間から1時間30分ほどで終わり、火葬後は骨上げを行いますが、どうしても骨上げをしない場合は職員に伝えておいてください。


火葬場の中で火葬を待つ間は僧侶と参列者をもてなすことになるので、僧侶には必ず上座に座ってもらいます。もてなしにはお茶菓子や軽食が必要なので、葬儀社に事前の確認をとっておきましょう。

火葬後に行われる骨上げとは

骨上げは火葬が終わった後の遺骨を骨壷に入れることで、拾骨・収骨とも言います。骨上げの時は桃・桑などの木と竹で作られた箸をそれぞれ一対で使い、一片の骨を挟んではし渡しした後に骨壷へ入れます。故人をあの世に橋渡しする意味がこめられており、男女一組で行うのが正式な骨上げです。もし分骨する場合は骨壷を2つ用意しておきましょう。

 

故人と縁の深かった順に骨を拾い上げていくのが一般的で、喪主・遺族・親族と続いていきます。まず最初に歯を拾ってから、足の骨から身体の上部に向かって順番に拾い上げていき、最後に喉仏を拾います。喉仏を拾うのは故人と最も繋がりの深い人が行うので、覚えておきましょう。収骨する量・拾い方は地域によってかなり差がありますが、ほとんどの場合は火葬場の職員が教えてくれるので従います。

火葬後の骨上げは東日本と西日本で違いがある

骨壷へ入れる遺骨の量は東日本と西日本で大きな違いがあります。

 

東日本は全ての遺骨を骨壷に納めるため、骨上げの順番が一巡して遺骨が残っていても、繋がりの深い順にもう一度巡ります。
西日本の地域では一部の遺骨のみを骨壷へ入れるのが一般的なため、骨上げの時間も骨壷の大きさも変わるのです。また西日本は骨壷へ納めなかった遺骨は火葬場の係員が回収した後に、共同墓地などに収められます。

 

東日本から引っ越してきた人・東日本で育った人は違いに驚くことが多いですが、決して遺骨を粗雑に扱っているわけではありません。最近では西日本でも全納骨を希望する人が増えています。全納骨は希望者のみなので、骨上げの時に困惑しないように覚えておきましょう。

火葬後の骨がお墓に入らない時はどうすればいい?

お墓には骨壷を収めるスペースがありますが、そのスペースにも限りがあります。これ以上は骨壷が入らないとなった場合は、古い遺骨に対して何かの対処をしなければなりません。

 

・1つの骨壷にまとめる
・遺骨を自然に還す
・粉骨する
・古い遺骨を永代供養墓に移す

 

新たにお墓を建てる方法もありますが、以上の4つの方法が一般的です。骨壷が入らないことがわかっているなら、あらかじめ大きめの骨壷を用意しておき、1つの骨壷にまとめる方法があります。ただしこの方法はどの遺骨が誰のものかわからなくなってしまうので、注意してください。

 

お墓にある骨壷を納めるペースのことをカロートと呼びますが、カロートの底が土になっていることがあります。底が土の場合は遺骨を埋めることができます。遺骨は時間をかけて土に還り形がなくなるため、新しい骨壷を入れることができるのです。

 

カロートの底に埋める以外の方法では、散骨という自然に還す方法が選ばれることもあります。遺骨を粉砕して海や山などの自然の中に撒く方法ですが、故人の意向で撒かれることが多いです。遺骨を小さくするために粉骨するという方法もありますが、気が引ける人も少なくありません。

 

しかし、粉骨することで骨壷内にスペースを作ったり、1つの骨壷にまとめたりすることができるので、選ばれることもあります。粉骨も1つの骨壷にまとめることになるので、後々取り出すことは不可能になります。

 

お墓参りができない時やお墓がいっぱいになった場合は、お寺や霊園に遺骨を預けて永代供養墓に移す方法を選ぶ場合もあります。永代供養墓に移す場合は手続きが必要になるため、市町村にある役場・市役所で手続きを行ってください。

 

骨上げは地域によって違いがありますが、それ以上に故人との繋がり・間柄によって、言葉にできない気持ちがこみ上げてきます。落ち着いて骨上げに臨めない場合もありますが、流れ・マナーをできる範囲でいいので思い出してください。故人をきちんと弔うためには、故人を想う気持ちと正しい方法があってこそです。



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