【葬式】お悔み電報を「送る」「いただく」ときのマナー
親しい人や知人の訃報を知っても、なにかと理由があり葬儀に参列できないケースは珍しくありません。そんなときお悔みの気持ちを伝えるために役立つのが「弔電(ちょうでん)」と呼ばれる電報です。
しかし、まだ年齢も若いと訃報が届くこともなく「弔電?これってなんて読むの?」「そもそもどうやって送ればいいんだろう…。」と疑問に思うことも多いでしょう。弔電を送る側もわからないことが多いように、弔電をいただいた側もなにかとマナーが気になるものです。
今回はお悔み電報の弔電を送るとき、いただいたときのマナーを紹介します。
お悔み電報「弔電」の読み方と意味とは?
今の時代、わからないことがあればなんでも検索すれば済みますが、読み方がわからないと調べようがありません。「弔電」は「ちょうでん」と読みます。
弔電をわかりやすく説明するならば、「お悔みを伝える電報」です。現代は固定電話だけでなく携帯電話も普及しているため、どんなときでも連絡を取れます。しかし、昔は今のように自由に連絡が取れなかったため、明治時代にモールス信号→カタカナ→印字という流れで文章を伝えられる電報のサービスが開始されました。
それ以来、電話が普及した現代でも葬儀に参列できない場合に、お悔みの気持ちを伝える手段として弔電という名の電報が使われているのです。
知っておきたい弔電のマナー
弔電は、あなたが故人を慈しむ気持ちを伝えるための手段ですが、そこにはしっかりとマナーが存在します。ただあなたの気持ちを伝えるのではなく、マナーにも配慮して弔電を用意するからこそ、より深い思いが届くものだと考えましょう。
弔電を送る場合は、次のマナーを抑えておきましょう。
弔電を送るタイミング
弔電はできるだけお通夜の開始前までに、どんなに遅くても告別式が始まる1時間前までには届くように準備しましょう。「もし遅れてしまっても、弔電を送らないことのほうが失礼だろう…」と考えるかもしれませんが、これは誤りです。弔電に限っては、この考え方はあてはまらないので特に注意しましょう。
もしも弔電が間に合わなかった場合は、日を改めて「お通夜、葬儀、告別式へ参列ができなかったこと」「弔電が間に合わなかったことへのお詫び」をしたためた手紙を郵送するとよいでしょう(必要であればお香典も添えます)。
もちろん、後日訪問できるなら直接お悔みの言葉をお伝えに伺うのがよいでしょう。
故人の敬称
弔電を打つ際には、故人の呼び名(敬称)が喪主から見た続柄によって変わります。主な敬称は下のようになるので、参考にしてください。
喪主様から見た故人の続柄が…
- 実父→ご尊父様、御尊父様
- 実母→ご母堂様、御母堂様
- 義理の父→ご岳父様
- 義理の母→ご岳母様
- 奥様→ご令室様
- ご主人→ご主人様
- ご令嬢→お嬢様
- ご子息→ご子息
- ご兄弟→ご令兄様、ご令弟様
- ご姉妹→ご令姉様、ご令妹様
弔電に不相応な忌み言葉
普段から何気なく使っている言葉でも、弔電の中で使うのはふさわしくない「忌み言葉」が存在します。次のような言葉は避ける、もしくは違う言葉で言い換えて使いましょう。
- 重ね言葉…重ね重ね たびたび たまたま 次々 など
- 不幸を連想する言葉…死亡 苦しむ 続く 浮かばれない など
- 音が不吉な言葉…四(し) 九(く)
宗教による言葉の使い分け
故人の宗教や宗派によっても、使うのを避けたほうがよい言葉があります。
- 仏教の場合…浮かばれない 迷う
- キリスト教、神道の場合…冥福 供養 成仏 仏様 合掌
- キリスト教の場合…哀悼 お悔やみ(冥福 供養 成仏 仏様 合掌)
弔電の内容
弔電には、電報サービスが用意した定型文だけでなく、故人とのエピソードも書き連ねたくなるものです。決して悪いことではありませんが、遺族も知らないようなプライベート過ぎる内容は後のトラブルの原因にもなりかねないので注意しましょう。
弔電の一般的な例文とは
一度も弔電を送ったことがないと、実際の文章がどのようなものかいまいちイメージしにくいでしょう。世の中には電報サービスが多くあり、各サービスでも弔電の例文を用意しています。例文をいくつか紹介しましょう。
- ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。
- ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、
故人のご功績を偲び、心からご冥福をお祈り申し上げます。 - ○○様のご逝去の報に接し、心からお悔やみ申しあげます。
故人と共に過ごした日々を思い出すと、胸が詰まります。
ご生前のご厚情に深く感謝いたしますとともに、
安らかなご永眠をお祈りいたします。
※VERY CARD「文例集」より引用
このように文面に悩んだ場合は、電報サービスの例文を参考にすると良いでしょう。
弔電のお礼やお返しはどうする?
いつかはあなたにも弔電を送る側でなく、受け取る側になる日がやってくるかもしれません。日本では送っていただいたらお返しをする文化が根付いており、弔電をいただいたらどのようなお礼やお返しをすればよいのか気になるでしょう。
弔電をいただいた場合は、葬儀終了後から一週間以内をめどにお礼状を送るのが一般的です。ただし、相手と親しい場合には電話やメールで弔電のお礼を伝えるケースもあります。マナーの面で不安が残るなら、ハガキや手紙を使いお礼状を送るのが丁寧で安心できます。
まとめ
お悔みの気持ちを伝えるための電報「弔電」には意外とたくさんのマナーがありますが、決して難しいものではありません。訃報を知ったとき、葬儀が終了した後というのは、送る側も送っていただく側もなにかとバタバタしがちで戸惑うかもしれませんが、落ち着いて弔電やお礼状を用意しましょう。